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Life Work Share 共働き夫婦のブログ

共働き夫婦のブログ。2歳の息子と3人暮らし。妻は育休中に保育士資格を取得、夫は元公務員の公認会計士です。資格、子育て、旅行などについて書いてます。

【書評】雨宮まみ「女子をこじらせて」 女であることに不自由さを感じてるすべての女子へ

読んだ本

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こんにちは、ユウリです。

 

雨宮まみさんを初めて見たのは、バイキングというテレビ番組でした。

 

雨宮さんは、Facebook依存の女として出演していて、お昼の番組で衝撃の発言をしていました。

 

「だって、FacebookとはSEXできないじゃないですかァ」→即CM

 

すっごい面白いお姉さんがいる…!!

 

それから数ヶ月して、雨宮まみさんが40歳で亡くなったことを知りました。

 

私は、その日のうちに本屋さんに走り、一冊の本を買ってきました。

 

「女子をこじらせて」

 

 

 

 

「女子をこじらせて」は血を吐くようなエッセイ

 

読んでいるのが辛くなりました。

 

雨宮まみさんの人生を、赤裸々に、自虐的に、掘り下げて、掘り下げて、綴ったものです。

 

地味でヤンキーに怯えた中学時代。

 

進学校に通うも、勉強も見た目もパッとせず、不思議ちゃんだった高校時代。

 

1日8回オナニーし、虚しくて泣いた大学時代。

 

バニーガールのバイトを経て、AVライターになるまで。AVライターになってからの葛藤。

 

なんと表現したらいいのか。

 

「痛い」

 

心から血を流しながら書いたのではないか。

 

そのくらい鬼気迫るものを感じました。

 

 

 

自分の中の「女」との戦い

 

雨宮さんは、自分の中の「女」と戦い続けた人だと思います。

 

1日8回オナニーしては、虚しさに泣きました。自分はこのまま誰からも触れられずに死んでいくんだろうと思うと、悲しかった。けど勇気を出すことなんてできなかった。自分には恋愛とか、そういうことは許されていない、そういうことを話題にすることすら気持ち悪い人間なんだと思っていました。 

 

 

これって、女の人が書いたんだよね?と思いました。

 

女の人は、オナニーのやエロい話はしないだろう。

 

私には「女とはこういうものだ」という固定観念がありました。

 

でも、それは「女はこうあるべきだ」という、強迫観念みたいなものでもあります。

 

雨宮さんの文章は、「こうあるべきだ」をぶち壊す。心にグサッと突き刺さるすごいパワーを感じました。

 

 

雨宮さんは、大学時代に処女を喪失して、バニーガールのバイトを経験したりしながら、AVライターになります。

 

で、いつの間にか「美人ライター」と呼ばれるようになるのですが、そのときのストレートな怒りの表現がすごい。

 

私はついこないだまでブスだブスだと言われて、どこにもやり場のない性欲を持て余して泣きながらオナニーばっかしてたんだよ。なのに「美人」と言われたとたん、性欲なんか持て余したことない、やり場のない性欲に苦しんだことなんかない人間だと思われる。「女だから」「美人だから」相手に不自由しないでしょ?と言われる。あんなに苦しかったことが、なかったことにされる。…苦しんで苦しんで勇気をふりしぼってセックスしてやっと処女を失って、なんで今までラクしてきたみたいに言われなきゃいけないんだよ。ふざけんなよと思いました。

 

 

読んでるだけで苦しいです。

 

でも、戦ってる文章です。

 

 

 

女は、男に選ばれなきゃ価値がないという不自由

 

雨宮さんは、何と戦って、苦しんで来たんだろう。

 

男社会を憎いと思いながら、私自身がいちばん男社会での評価を、男の評価を気にしていたし、そのうえ、自分自身の女のとして人間としての評価も「男から評価されなければ価値がない」と思っていました。はっきり言えば、性的に男から求められなければ価値がないと思っていた。

 

 男目線を内面化したことがすべての始まりと言ってもいいかもしれません。私の女としての強烈なコンプレックスは、男目線を内面化しなければ生まれ得ないものだと思います。男目線をで自分を鑑定し、あまりにも理想の女とかけ離れているので否定するということの積み重ねで、私は女としての自分に自信が持てなくなりました。

 

ブスだって、喪女だって、非モテだって、それが何か?

 

とは言えなかった。

 

「男にどう評価されているか」

 

ということが、自分を縛っていたから。

 

「女は男に選ばれなきゃ価値がない」という価値観から、完全に自由になれている女って、あまりいないんじゃないか。

 

たとえば、どんなに仕事ができても、ブスで処女だったら、影で「あの人って仕事はできるけど、寂しいよねぇ」と叩かれる。

 

そのとき、何も感じないでいられるか。

 

「男に選ばれてない私」を、ダメだと思わないでいられるか。

 

私だって、男に選ばれることで、自分の価値を確認するようなところがあります。

 

男に選ばれている(彼がいるとか、結婚してるとか)ことで、誰からも何も言われなくて済むと安心しています。

 

なんか、そういうのから、自由になりたい。

 

自分の価値は自分で決められるようになりたいと思いました。

 

 

自分探しの旅を終えて、やりたいことをやる

 

雨宮さんは、本書のラストで、長い自分探しの旅が終わったと語ります。

 

「本当にしたいこと」「やりたいことをやる」なんて、すごい才能のある人にしか許されていないことのように思っていましたが、べつに自分がやったっていいわけです。何か選択肢が目の前に現れたら、自分が楽しそうだと思うほうを取ろう、選択肢がなかったら、自分がいいと思う方向に進もう。

 

 男からどう評価されているか、とか。

 

世間からどう評価されているか、とか。

 

そういうの、苦しくない?別にもう良くない?

 

自由になろうよ。自分の本当にやりたいことをやればいいじゃん!

 

ポンっと肩を押された気がしました。

 

 

 

「女子をこじらせて」は、こんな人に読んで欲しい

 

言葉がぐいぐい心に入ってくるようで、あっという間に読んでしまいました。

 

この本はこんな人に読んで欲しいです。

 

  • 「こじらせ女子」という単語に反応した。
  • 自分は喪女だと思ってる。
  • 女としての自分に自信がない。
  • エロに興味あり。
  • 不思議ちゃんと言われる。
  • サブカル好き。
  • 自意識過剰。
  • メンヘラかも。
  • 男に依存しがち。
  • ネガティヴ。

 

中村うさぎとか、内田春菊とか、田房永子とか、川上未映子とかが好きな人は、好きかもしれません。

 

 

 

なぜ、死んでしまったの

 

雨宮さん、なぜ死んでしまったの。

 

雨宮さんは、ブログや40歳がくる!というウェブ連載で、死にたいと語っていたんですよね。

 

「女子をこじらせて」のあとがきにも、死について語っています。

 

そんな折に起こったのが東日本大震災。不謹慎を承知で言いますが、思いましたね。「ああ、自殺じゃない。やむを得ない形で死ねるかもしれない」って。ショックも受けたし、起こった悲劇に泣いたりしながら、それとは別にそんなことを思って、何か光明を見つけたような気分になっていました。…いつ死ぬかわからないということが、あんなに強い希望に見えたのは初めてだった。

 

 

死にたかったんだなぁ…

 

人間は、いつかは死ぬ。それだけのことなのかもしれない。

 

雨宮さんの文章がもう読まなくなっちゃうのは寂しいです。

 

全く知らない人なのに、死んでしまったんだなぁと、すごく、すごく、寂しくなりました。